

新型インフルエンザとは、新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が免疫を獲得していないことから、全国的かつ急速なまん延により国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいいます。
今般、メキシコや米国等で確認された新しい豚インフルエンザ(H1N1)を感染症法第6条第7号に規定する新型インフルエンザ等感染症に位置づけ、感染の拡大を防止す様々な対応が国際的な連携のもとに始められています。
今回の新型インフルエンザは、その遺伝子が豚インフルエンザのものに似ていることから、確認当初は豚インフルエンザと呼ばれました。その後の研究で、今回のインフルエンザウイルスが豚インフルエンザウイルスの遺伝子のほかに、鳥インフルエンザウイルス及びヒトインフルエンザウイルスの遺伝子も持つことが確認されています。(米国疾病管理センターQ&A参照)
豚インフルエンザウイルスは、定期的に豚にインフルエンザの大流行を引き起こしています。通常、ヒトには感染しませんが、米国等では散発的にヒトへの感染が報告されています。
これまで何種類もの豚インフルエンザウイルスが出現したと考えられていますが、現時点では、H1N1、H1N2、H3N2、H3N1の4種類の亜型が豚から分離されています。ただし、米国で最近では、豚から分離されたウイルスの亜型のほとんどはH1N1です。
通常のヒトインフルエンザ(H1N1)はAソ連型と呼ばれ、豚インフルエンザ(H1N1)とは異なります。(米国疾病管理センターQ&A参照)
新型インフルエンザの症状は、突然の高熱、咳、咽頭痛、倦怠感に加えて、鼻汁・鼻閉、頭痛等であり季節性インフルエンザと類似しているといわれています。ただし、季節性インフルエンザに比べて、下痢や嘔吐が多い可能性が指摘されています。
また、7日以内に新型インフルエンザが蔓延している国又は地域に滞在もしくは旅行をした、感染者と2メートル以内に接近した等の情報は診断の参考になります。
症状等から新型インフルエンザに感染していると医師が疑う場合は、PCR(遺伝子検査)等を行うことにより、確定診断をすることが可能です。
発熱や咳などの症状があり、受診すべき医療機関がわからない場合は、最寄りの保健所に設置されている発熱相談センターに相談してください。
現時点では、ウイルスの感染力やウイルスがもたらす病原性等について未解明な部分がありますが、今回の新型インフルエンザについては、季節性インフルエンザと同様に感染力が強いものの、多くの患者が軽症のまま回復しているとされています。一方で、糖尿病や喘息等の基礎疾患がある方等を中心に重症化する例が報告されています。また、今後ウイルスが変異する可能性もありますので、油断は禁物です。
新型インフルエンザは、多くの人が免疫を持っていないため、通常のインフルエンザに比べると、感染が拡大しやすく、多くの人が感染することが考えられます。
新型インフルエンザの感染経路は通常のインフルエンザと同様で、咳やくしゃみとともに放出されたウイルスを吸い込むことによっておこる飛沫感染と、ウイルスが付着したものをふれた後に目、鼻、口などに触れることで、粘膜・結膜などを通じて感染する接触感染が考えられています。
ブタインフルエンザは、適切に処理された豚肉や豚肉の加工品を食べることによって経口感染することはありません。
インフルエンザは食品を介しては感染しないので大丈夫です。
現在のところ、新型インフルエンザを予防するためのワクチンは存在しません。このため、ウイルス感染を予防のためには、手洗い・うがいをしっかりすることが大切です。
手洗いは、外出後だけではなく、可能な限り、頻回に行いましょう。石けんを使って最低15秒以上行い、洗った後は清潔なタオル等で水を十分に拭き取りましょう。
また、ウイルスが粘膜を通して感染するため、極力鼻や口などを触らないようにしましょう。
咳、くしゃみの際の「咳エチケット」も感染防止の上では大切です。咳やくしゃみ等の症状のある人には必ずマスクをつけてもらいましょう。
また、国内で発生が認められた場合には、必要のない外出(特に人が集まる場所)をひかえることが大事です。
集会やスポーツ大会についての、一律の自粛要請は行われていません。感染の広がりを考慮して開催を決定するとともに、病み上がりや体調不良気味、発熱症状のある方には参加や感染を遠慮してもらうように徹底して呼びかける、人と人が近い距離で接触しないようにするなど、運営方法を検討してください。
現在、マスクなどは、店舗によっては品切れが報告されていますが、各社に増産してもらっているところです。また、新型インフルエンザの発生地域での需要の急増にできる限り答えるため、発生地域への出荷を優先するようお願いしています。また補充されますので冷静に対応するようにしてください。
マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウイルス等病原体の飛散を防ぐ効果が高いとされています。咳やくしゃみ等の症状のある人は積極的にマスクをつけましょう。
一方で、予防用にマスクを着用するのは、混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防策と考えられますが、屋外などでは、相当混み合っていない限りあえて着用する必要はありません。
咳や発熱などの症状のある人に近づかない、流行時に人混みの多い場所に行かない、手指を清潔に保つといった感染予防策を優先して行いましょう。
N95マスクを使用する際にはとフィットテストなどの事前準備が必要であり、一般の方の使用にはむいていませんので、厚生労働省は推奨していません。
症状がない場合には検査の必要はありません。また、渡航歴や接触歴がある方で、新型インフルエンザの感染が強く疑われる場合においても、発症前に診断することは困難です。
7日以内に新型インフルエンザが蔓延している国又は地域に滞在もしくは旅行をした人や、感染者と2メートル以内に接近した等ことがある場合には、各自治体の相談窓口に問い合わせをし、指定された医療機関を受診してください。
現在、全ての都道府県において発熱相談センターが設置済みです。医療機関を受診する前に、必ず電話で連絡をし、受診時間や入り口等を確認してください。受診するときは、マスクを着用し「咳エチケット」を心がけるとともに、極力公共の交通機関の利用を避けてください。
主な治療法は抗インフルエンザウイルス薬(タミフル・リレンザ)の投与です。これらの薬は、医療機関等において医師が必要と認める場合に、処方されます。
新型インフルエンザの患者が自宅での治療となった場合、同居の家族は濃厚接触者となり健康観察の対象となります。このため、外出を自粛し、他の人との接触を極力控えるとともに、
をお願いします。
WHOでは、パンデミックが起こる前からパンデミックを状況に応じて6つのフェーズに分類して、それぞれの対応等を規定しています。
フェーズ4は「コミュニティレベルでの発生を継続させる力がある新しい亜型のインフルエンザウイルスが、ヒト-ヒト感染していることが確認された。」状態です。
フェーズ5は「WHOの1つの地域に属する2カ国以上で、そのインフルエンザウイルスによってコミュニティレベルの感染が継続している」状態です。
フェーズ6は、「フェーズ5の条件に加え、WHOの別の地域の1か国以上において、そのインフルエンザウイルスによってコミュニティレベルの感染が認められる」状態です。(『新型インフルエンザ行動計画』参照)
現在、我が国での新型インフルエンザ新規確定症例数は減少傾向にありますが、南半球の国などで感染者数が増加しており、世界的な流行が心配されています。
このため、今後、我が国で今回の新型インフルエンザが流行する可能性は非常に高く、長期的な対応が必要になると考えられます。
ウイルスがどのように変異するかを予測することはできませんが、20世紀初頭に流行したスペイン風邪(A型インフルエンザウイルス(H1N1亜型))では、第1波よりも第2波の方が致死率が高かったといわれており、今後も慎重に見守ることが必要です。
現時点では、ウイルスの感染力やウイルスがもたらす病原性等について未解明な部分がありますが、今回の新型インフルエンザについては、季節性インフルエンザと同様に感染力が強いものの、多くの患者が軽症のまま回復しているとされています。一方で、糖尿病や喘息等の基礎疾患がある方等を中心に重症化する例が報告されています。
また、現時点では基本的に新型インフルエンザウイルスに対する免疫がないと考えるべきであり、かつ、それに対応するワクチンが存在しないことから、慎重に対応する必要があります。
(厚生労働省ホームページより)
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症で、原因となっているウイルスの抗原性の違いから、A型、B型、C型に大きく分類されます。A型はさらに、ウイルスの表面にある赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という、2つの糖蛋白の抗原性の違いにより亜型に分類されます。(いわゆるA/ソ連型(H1N1)、A/香港型(H3N2)というのは、これらの亜型を指します。)
感染症の世界的大流行という意味です。
特に新型インフルエンザのパンデミックは、近年これが人の世界に存在しなかったためにほとんどの人が免疫を持たず、人から人へ効率よく感染する能力を得て、世界中で大きな流行を起こすことが懸念されています。
見張り、監視制度という意味です。
特に人の感染症に関しては、感染症法に基づき、感染症の発生状況(患者及び病原体)の把握及び分析が行われています。
感染症法では、感染症の発生を迅速に把握することによって、感染症の予防と拡大防止、そして国民に正確な情報を提供することを目的として、日常的に種々の感染症の発生動向を監視しています。これは感染症を診断した医療機関からの発生報告を基本としており、これらの発生報告を一元的に効率よく収集解析するために、地方自治体と国の行政機関を結ぶネットワーク又はインターネットをベースにした電子的システム(感染症サーベイランスシステム(NESID))が構築されています。
感染症サーベイランスのうち、特に、感染の原因となった病原体についての発生数や詳細な種類などについて報告してもらい、状況を監視するシステムのことです。
あらかじめ指定する医療機関において、一定の症候を有する患者が診察された場合に、即時的に報告を行ってもらい、感染症の早期発見を目的とするシステムのことです。
感染症サーベイランスシステム(NESID)等を用いて、大規模な流行の可能性がある感染症に感染した疑いがある患者に関する情報(行動履歴、接触者情報を重点に置く。)を登録し、疫学的リンクや異常な症状から、新しい亜型のインフルエンザ患者を発見するために、疑われる症例を診断に結びつけていくシステムのことです。
流行している新型インフルエンザウイルスの抗原性、遺伝子型、抗インフルエンザウイルス薬への感受性を調べ、ワクチンの効果や治療方法の評価、あるいはそれらの変更の根拠とするためのシステムのことです。
地域や医療機関でのアウトブレイク(発熱と上気道症状、あるいは肺炎を罹患、それによる死亡など、類似の症状を呈する3人以上の患者が存在し、同居者などの疫学的なリンクがある場合やそのうちの1人が医療従事者である場合)などの集団感染の発生を検知するシステムのことです。
パンデミックの各段階に応じて構築されたサーベイランスシステムのことです。
具体的には、第一段階から第二段階までの間、国内発生を可能な限り早期に発見することを目的として、定点医療機関等において、軽症例の患者の集積及び重症例の患者の集積を把握するサーベイランスシステムが構築されています。
また、第三段階から第四段階までの間、新型インフルエンザの発生動向等を迅速に把握及び還元することを目的として、指定届出機関において、外来患者数、入院患者数及び死亡者数を把握するサーベイランスシステムが構築されています。
ワクチンの副反応の状況を把握するシステムのことです。接種継続の是非、対象者の限定、予防接種優先順位の変更等の判断に役立てること目的としています。
ウイルス株の薬剤耐性の状況を把握するシステムのことです。収集したウイルス株の薬剤感受性試験や遺伝子解析を行い、抗インフルエンザウイルス薬に対する耐性株の出現頻度やその性状等について把握するための検査を行います。
災害発生時などに多数の傷病者が発生した場合に、適切な搬送、治療等を行うために、傷病の緊急度や程度に応じて優先順位をつけることです。
救急時・麻酔使用時等に、患者の肺に空気又は酸素を送って呼吸を助けるための装置です。
マスク、ゴーグル、ガウン、手袋等のように、各種の病原体、化学物質、放射性物質、その他の危険有害要因との接触による障害から個人を守るために作成・考案された防護具のことです。特に病原体の場合は、その感染を防御することが目的であり、感染経路や用途(スクリーニング、診察、調査、侵襲的処置等)に応じて適切なPPEを考案・準備する必要があります。
新型インフルエンザに係る診療を効率化し混乱を最小限にするために設置される外来専門の医療施設のことです。第三段階の感染拡大期までの発熱外来は、新型インフルエンザの患者とそれ以外の疾患の患者とを振り分けることで両者の接触を最小限にし、感染拡大の防止を図ることを目的としています。第三段階のまん延期以降における発熱外来は、感染防止策を徹底した上、新型インフルエンザの患者の外来集中に対応することに加え、軽症者と重症者のトリアージにより入院治療の必要性を判断することを目的としています。
感染症法に規定する特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関、第二種感染症指定医療機関及び結核指定医療機関のことです。
特定感染症指定医療機関:新感染症の所見がある者又は一類感染症、二類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者の入院を担当させる医療機関として厚生労働大臣が指定した病院。
病床は、医療法によって、一般病床、療養病床、精神病床、感染症病床、結核病床に区別されています。感染症病床とは、感染症法に規定する新感染症、一類感染症、二類感染症及び新型インフルエンザ等感染症などの患者を入院させるための病床であり、結核病床とは、結核の患者を入院させるための病床をいいます。
院内感染を防ぐために、病室の内部の気圧をその外部の気圧より低くすることによって、外部に感染症の病原体を拡散させないようにしている病床をいいます。
感染症法に規定する五類感染症のうち厚生労働省令で定めるもの又は二類感染症、三類感染症、四類感染症若しくは五類感染症の疑似症のうち厚生労働省令で定めるものの発生の状況の届出を担当させる病院又は診療所をいいます。
DNAを、その複製に関与する酵素であるポリメラーゼやプライマーを用いて大量に増幅させる方法です。ごく微量のDNAであっても検出が可能なため、病原体の検出検査に汎用されています。インフルエンザウイルス検出の場合は、同ウイルスがRNAウイルスであるため、逆転写酵素(Reverse Transcriptase)を用いてDNAに変換した後にPCRを行うRT-PCRが実施されています。
インフルエンザウイルスの増殖を特異的に阻害することによって、インフルエンザの症状を軽減する薬剤です。ノイラミニダーゼ阻害剤は抗インフルエンザウイル薬の一つであり、ウイルスの増殖を抑える効果があります。
新型インフルエンザが発生した段階で、出現した新型インフルエンザウイルス又はこれと同じ抗原性をもつウイルスを基に製造されるワクチンのことです
都道府県及び市区町村が保健所等に設置する電話対応専門の施設。新型インフルエンザの患者の早期発見、当該者が事前連絡せずに直接医療機関を受診することによるそれ以外の疾患の患者への感染の防止、地域住民への心理的サポート及び特定の医療機関に集中しがちな負担の軽減等を目的としています。
我々を取り巻くリスクに関する情報を、行政、住民などの関係主体間で共有し、相互に情報伝達を行い、意思疎通を図ることをいいます。
(厚生労働省ホームページより)
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